PCW(歩行器の1種)を使った結果は・・?
ゆざわひろみ
−−○○◎◎ 公開 2018年12月31日
肢体不自由児の歩行を目標に指導に入った際、歩行練習にPCWを使われる指導者が多いようなのです。
練習でPCWを使用したかしなかったかの分かれ目が、その後の運動機能の発達に差が出るとしたならば、使用することをどの様に考えますか!
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2009年4月から2018年末までに、私の元でこの訓練を開始した子どもが130名おられます。
130名中には、全身のストレッチが主となる現状維持が目標の子どもから、寝返りや腹這いが目標、自力座位から四つ這いが目標、杖歩行や独歩が目標、いろんな子どもがおられます。
そんな中で130名中、42名(32.3%)が杖歩行や独歩が可能となりました。
杖歩行や独歩が可能となったとは・・・
◎ 杖歩行では→松葉杖やロフストランドクラッチを使って、200mが歩けなければなりません。ただ床から一人で立ち上がれなくとも、椅子から立ち上がれば可能としています。
◎ 独歩は→200mを一人で歩けなければなりません。一人で床から立ち上がれなくとも、椅子から立ち上がれば良いとしています。
※ 下肢装具を着用してもいなくとも、評価の対象とはしていません。
杖歩行や独歩に至った子どもは・・・
@ 私と運動療法を開始する以前に、自力座位が可能となり、四つ這い(尻這いを含む)もできていて、前任の指導者がPCWを使用して指導していたケースが18名(13.8%)でした。
A 自力で座位ができるかできないか疑問、四つ這い(尻這いも含む)ができているのかできないのか疑問、まだ歩行練習に入っていなかったり、U字型歩行器で練習していた子どもが24名(18.5%)でした。
@の子どもは、すでに四つ這いや尻這いが可能となり、指導する者であれば誰もが歩行練習に入る条件が整っていました。
Aの子どもは、杖歩行や独歩が可能か否かを決定するほどに、運動機能が発達していませんでした。
杖歩行や独歩に至った子どもの数は42名。
誰もが杖歩行や独歩を目標に指導できた子ども(@)は18名(42.9%)で、これからどうなるかもわからないのに杖歩行や独歩に至った子ども(A)が24名(57.1%)でした。
この中で、誰もが杖歩行や独歩に至ると想う子ども(@)が、この訓練の指導が受けられなかったならば杖歩行や独歩に至ったのかが疑問として残るのです。
世でよく言われています。「想ったよりも障害が重く、杖歩行や独歩に至りませんでした」と・・・、この「想ったよりも障害が重く、杖歩行や独歩に至りませんでした」の釈明は、本当に仕方ない事実であったのでしょうか?
反面、この先がどの様に運動機能が伸びるかわからない子ども(A)の中で、杖歩行や独歩に至った子どもの数が多いのは、何が°のようにそうさせたのか判断する必要が有るのでは…。
「
LS-CC松葉杖訓練法
」のこのページ内で、「
PCW(posture control walker)を使うのは、良いのでしょうか?
」で記していますが、立位や歩行バランスを獲得するためには不適当な歩行器と言えるでしょう。
この訓練によって今指導を受けている子どもの中からも、まだ杖歩行や独歩に到達する子どもが現れます。
見た目では良いように見える指導も、地球上で生活するために重力を無視した指導法では、杖歩行や独歩には至り着けないのです。
PCWを使って独歩に至る子どももおられるでしょうが、PCWでの指導が良かったのではなく、それだけの潜在能力を有していただけなのです。
誤指導による誤学習の習得は、それを訂正することがとても困難だけでなく、訂正できずに終えることもあるのです。
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製作 LS-CC松葉杖訓練法 湯澤廣美